2016年3月10日木曜日

岡本啓さんと祇園のうどん



     京都の祇園で、詩人の岡本啓さんと会う。昼メシでもどう?ときいたら、急な誘いにもかかわらず、いいですよ、とふたつ返事で祇園まできてくださった。

     ぼくは、いつもの二日酔い。ほんとうは、詩人の城戸朱理さんにきいた、「グリル葵」でビフカツの予定だったのだけれど、とても食べられそうになく、祇園の老舗のうどん処「ひさご」で食べることにしたのだ。

   「ひさご」は、出勤前の芸者さん、舞妓はんが食べるうどんやとしても知られていたのだけれど、いまや観光客でいっぱい。メニューも3ヶ国語で書かれている。ぼくは早めにきてならび、タイからきたという団体客さんと英語でおしゃべり。なぜか、ともに記念撮影。

    しばらくすると、岡本さんがあらわれる。トレードマークの帽子。その前日にも老舗喫茶店フランソワにいったり、鴨川の村上春樹ランニングコースを散歩して、半日遊んでいた。ぼくは、瓶ビールと写真の卵うどん。岡本さんは、ひさご名物、親子丼。とろとろ、ふわふわの卵で、芸者さんや舞妓はんが大好きな一品だ。二年の京ぐらしで、祇園にくることがほとんどないという、岡本さん。「塔がみえると、京都ぽいですよね」。あまり京都らしい場所にはいかないらしい。そういえば、岡本さんの詩に、京都はでてこないなぁ。

    食事のあとは、また、ながい散歩。哲学の道と谷崎潤一郎の墓のある妙蓮寺をめざし、円山公園から知恩院、平安神宮まで歩くも、残念ながら、時間切れ。さむい曇天だったが、ときおりの晴れ間から、雪がきらきらとふってくる。ちかくの、岡本さんがみつけたロッジふうの喫茶店でひとやすみ。

    詩壇ではなく、詩とポエジーの話、音楽やアート、そしてもちろん旅の話をたくさんする。岡本さんは東南アジアを旅したそうで、はじめていった社会主義国、ラオスがおもしろかったという。「旅している時間がいちばん楽しいですね」との由。また、岡本さんの喫茶店のえらびかたは独特で、京都らしい個性派の老舗店よりも、あかるいインパーソナルなカフェを好むのかな。今後、ふたりでやるイベントやプロジェクトの話もできた。

    駅まで岡本さんに送ってもらい、握手。こんどは、東京は中野新橋のジャズ喫茶にいきましょう。

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