2015年11月4日水曜日

秋の大山へ






   田村隆一の『緑の思想』に「水」という詩がある。

   
      どんな死も中断にすぎない
      詩は「完成」の放棄だ

      神奈川県大山のふもとで
      水を飲んだら

      匂いがあって味があって
      音まできこえる

      詩は本質的に定型なのだ
      どんな人生にも頭韻と脚韻がある

 
   その大山に一泊二日でいった。あたご滝のバス停から歩いてすぐの旅館「東學坊」に宿泊。透明無臭の天然温泉につかり、大山の「水」でつくった、地酒と名物の豆腐料理で一杯。

    丹沢山系の水はあまい、あまい水。持病の耳鳴りも、湯とせせらぎのなかに溶け落ちてゆく。

    翌日はあいにくの雨。リニューアルされた大山登山鉄道にのって、阿夫利神社下社に参拝。
    
   紅葉は、ケヤキがきれい。カエデが燃えているころ、水はどんな味と音がするのだろう。

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