2015年7月1日水曜日

7月のポエトリーマガジン



   このブログでは、政治の時事的な発言や詩の時評的な発言は、原則、しないようにしてきた。国内外の出張も多いぼくは、「石田はいつもどこにいるのか、なにをして生きているのかわからない」という苦言?をよく耳にしていたので、本ブログはそんな方々への連絡帳も兼ねて書いてきたのだ。ブログはどこまでも個人のメディアなので、編集者さんのいないところで時局や他者の作品について言及はあまりしたくないな、という勝手な思いもあります。そして、文学的、政治的発言はなによりも詩作品の内部で、あるいは評論の仕事でしたいと思ってます。もちろん、その自分の考えを他のブログの書き手に押しつけるようなことはしません。いい時評ブログもありますし。
   ほんとうはこのブログ、旅と田園生活、地方の隠れたいい呑み屋とか骨董、古本についてしょうもないことを気ままに書くだけだったはずなのだが、、え?いまもたいして変わらない、、そうなんですが、もっと無為、無名のものをもとめて書いていたのです。まあ、ぼくの人生、無為徒労であることには変わらないけれど。
   前置きが長くなりすぎましたが、それでも、これはと思う文学の仕事があったとき、月一ぐらいで紹介させていただこうかな、と思うようになりました。きっかけは、十代の読者からのお手紙でリクエストをいただいたからです。
    第一弾は、若手新鋭が結集した詩と短歌のポエトリーマガジン「PIED PIPER」。現代詩の狂犬にして歌人、桜井夕也さんを発行人に、今号は草間小鳥子、主水透、中山みなみ、和合大地、山﨑修平、吉田友佳各氏が寄稿。いままさに頭角をあらわしつつある、フレッシュな詩の才能が一覧できる刺戟的な誌面だと思う。金押しのオリジナルロゴが光る、デザインもすばらしいですね。字組やフォントも、かっこいいこと。50頁をこえる誌面は内容ともに厚く、熱いな、とわくわくした。同調する、というより、おたがいが琢磨してスパークする、多様な作風を詩誌は有している。
    ちなみに今号のメンバーは、ぼくが2014年に「現代詩手帖」新人欄の選者を担当したときの入選者の方々が中心になっている。ぼくにとって、このリユニオンはとてもうれしかった。今年も投稿されている方、そうでない方も、がんばってください。そして、すてきな詩誌を継続してください。
    個人的な感慨はべつに、この詩誌は、ひとつのフロントラインをまちがいなく形成しうると思う。

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