2014年12月16日火曜日

吹き飛ばすための筑前煮




 衆院選挙から一夜明け、安倍政権と自民党が不戦勝。投票率は戦後最低を更新。原発問題は、秘密保護法案は、どこへいった?七百億円以上の血税で無意味な解散総選挙をやっておいて、いったい東北被災地をはじめ、全国に公立学校が何校建つだろう。何千人の教師が雇えるだろう。介護費用も引き下げられている。
 テレビを見ていても哀しく、不快だったので、こんなときは手のこんだ肴でもつくろうと冷蔵庫を見たら、ちかくの農家さんからいただいた野菜が多くある。そうだ、ひさしぶりに筑前煮をつくろうと、ルクルーゼを棚からおろす。
 レシピは瀬戸内生まれの料理研究家・濱田美里さんに教わったもの。アゴだしをつかう。そういえば、詩人の高橋睦郎さんは九州の生まれ。子ども時代の得意料理は筑前煮だったとお聞きしたことがある。
 ぼくなりのこつとしては、炊くときに蓋(落とし蓋も)はしない。まず熱湯で野菜と鶏肉のぬめりを除いた後、煮汁が半分になるまで強火で野菜を炊く。半分になったら鶏肉を入れ、さらに強火で煮汁がからまる程度まで煮詰めて完成。煮炊きの時間はせいぜい二十分程。このほうが長時間煮るより、味が染みるのだ。
 おいしそうにできたら、市川孝さんの鉢に盛り、上泉秀人さんの白磁盃で晩酌。おともに、秋山十三子氏の名エッセイ『おばんざい』をひらいた。

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