2013年1月24日木曜日

さようなら、和多利志津子さん


細野晴臣さん、高田蓮さん


吉増剛造さん


城戸朱理さん、遠藤朋之さん


石田瑞穂 写真はすべてマッド・バンビさん撮影。


1月21日の夜、ワタリウム美術館で
故・和多利志津子館長の「お別れ会」イベントに
出演させていただきました。

音楽家、詩人、落語家、美術家、エッセイスト、パフォーマーなど
各界の第一線で活躍しながら、
志津子さんと深いご縁のあった方々が
志津子さんを偲び、
パフォーマンス、朗読、トークなどをしました。

しめやかなお別れにしたくないという
志津子さんらしい想いを継いで、
和多利恵津子さん、浩一さんをはじめ
ワタリウム美術館の皆さんが、
こころを込めて開催した今回のイベント。
会場は志津子さんに献花を、と
集まったお客様で満員大盛況でした。

細野晴臣さん、高田蓮さんの演奏ではじまった、この夜。
お別れの会なのに、柳家花緑さんの寄席があったり、
松岡正剛さんや森本千絵さんのトーク、
ドラッククイーンのマダム・ボンジュールジャンジさん
アキラさんのパフォーマンスなどがあったり。
笑ったり、聴き入ったり、
生前の志津子さんの幅広い交流を偲ばせる、
ワタリウムならではの会でした。

詩人たちの朗読/パフォーマンスは、
美術批評家でもある建畠晢さんが
日本で初めてドナルド・ジャッドを招聘した
志津子さんのエピソードを紹介しつつ、朗読。
城戸朱理さんは「白鳥伝説」を読んだあと、
アメリカ文学者にして、ぼくの先輩、
遠藤朋之さんとエズラ・パウンドの長編詩
『詩経 キャントーズ』からクロスリーディング。
ぼくは『まどろみの島』からレクイエムを朗読。
吉増剛造さんは利根川を舞台に、
ジョン・ケージと志津子さんの
面影をかさねるビデオ詩を上映しました。

ぼくが志津子館長とお会いできたのは、
もう10年ほど前。
初めてお会いした志津子さんは
どこの者とも知れない若者に、
ジョン・ケージやアレン・ギンズバーグなどの
ワタリウム美術館での初来日個展・公演の様子を含め、
とても貴重なお話しを1時間ほど話してくださいました。
日本の詩の状況にもご興味があり、
お会いした折りは、ペンとノートをもって、
ぼくの拙い話を忍耐づよく聴いてくださいました。
ワタリウムでの個展やイベントはもちろん、
あまりにさまざまな場所でお会いするので、
その滾々と湧きでる好奇心と勉強熱心さ、
フットワークの軽さに舌を巻きっぱなしでした。

吉増さんのおっしゃっるとおり、
たいへんな目利きでもあった志津子さんは
ジョン・ケージのように
叡智とやさしさを兼ねそなえた方でした。

ぼくらに現代の「美」の「楽しさ」を
たくさん、たくさん贈ってくださった、志津子さん。
We miss you, so much.






0 件のコメント:

コメントを投稿